マーケティングカレンダーは年間のマーケティング計画を整理する際に役立ち、全体計画をチーム内外共通の認識として浸透させるためにも、次年度が始まる2-3ヶ月前に作成することをおすすめします。
自社を取り巻くビジネス環境や戦略と連動したマーケティングカレンダーを作成できると振り返りがしやすく、改善アクションの立案に繋がります。一方、「マーケティングカレンダーの作成が難しい」との声も耳にすることが多いです。
そこで本記事では、マーケティングカレンダーの作成方法や効果的な使い方をお伝えするとともに、マーケティングカレンダーのテンプレートを公開します。業態(BtoB・BtoC)や商材によって項目の内容は変わってきますが、Excel形式ですぐに使用できるので、下記テンプレートを基にカスタマイズしてご活用ください。
マーケティングカレンダーのテンプレート(Excel形式)をダウンロードする
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マーケティングカレンダーの重要性と役割
マーケティングカレンダーとは、マーケティング活動の計画から実行までのタスクやスケジュールなどを一元管理するためのツールのことで、作成にはタスク管理ツールやエクセル/スプレッドシートを用いることが多いです。
マーケティングカレンダーは、キャンペーン計画やリソース・タスクの割り当てだけでなく、チーム内のコミュニケーションにも役立ちます。情報を一元管理できることから、社内メンバーや社外パートナー全員が同じ認識を持てるため、各プロジェクトで齟齬が生じるリスクを減らすことができます。
マーケティングカレンダーの作成手順
STEP1. 目標設定
まずは、自社のビジネス目標やマーケティング目標を明確にします。特定の期間内に達成したい売上や利益・顧客獲得数・指名検索数やトラフィック等、社内の戦略会議やチームミーティングなどで決定した方針等を基に設定してください。参考情報には以下のものが挙げられます。
- 市場や競合の動向
- ターゲット等を取りまとめたマーケティング戦略
- マーケティング戦略に基づいて実行する全施策
- マーケティング予算
- 事業KGI及び上記施策個別に定めたKPI
STEP2. キャンペーン設計
目標達成のために実施するマーケティングキャンペーンを決めましょう。例えば、SNSキャンペーンやメールキャンペーン・PRイベント・期間限定の割引やトライアル案内・非公開資料のプレゼントなどがあります。
どのようなキャンペーンを実施するのかは、自社で実施した過去のキャンペーンや競合が実施しているキャンペーン・業界のトレンド/季節性などを参考に決めていきましょう。
STEP3. マーケティングカレンダー内の項目を決定
マーケティングカレンダー内の項目をチーム内で協議して、キャンペーン以外のどのような情報を含めるのかを決定しましょう。項目は企業によって異なりますが、BtoB/BtoC別で分けると以下の項目が考えられます。
<BtoB企業の項目例>
- 業界イベント(カンファレンスや展示会など)
- 新製品/新サービスのリリース情報
- 自社イベント(自社主催のセミナーやカンファレンスなど)
- 競合イベント
- 実施施策とそのためのアクション
- 予算
- KGI/KPI
<BtoC企業の項目例>
- シーズンイベント
- 新商品/新サービスのリリース情報
- ブランドイベント(新作発表会やキャンペーンイベントなど)
- 競合のイベントやキャンペーン
- 実施施策とそのためのアクション
- 予算
- KGI/KPI
上記は一例ですので、自社にとって必要な項目をチーム内で協議し、オリジナルのマーケティングカレンダーを作成いただければと思います。
マーケティングカレンダーはチーム内だけではなく、他部門や広告代理店・マーケティング支援会社のような社外パートナーにも共有することを踏まえると、多くても10項目以内の方が管理がしやすいです。
STEP4. マーケティングカレンダーの作成
ここまで整理した情報を、本記事でダウンロードできるテンプレートに反映していきます。一通り記入が完了した後は、「計画に漏れや不備がないか」「設定項目や施策が適切か」などをチーム内で議論しながらブラッシュアップしていきましょう。
STEP5. マーケティングカレンダーの共有
作成したマーケティングカレンダーを、他部門を含めた社内の関係者や外部のパートナーへ共有することで共通の認識が生まれ、同じ目的に向かってマーケティング活動を進めるための議論がしやすくなるツールとして活用できます。
また、一度作成して終わりではなく、定期的に見直しながら計画の修正や体制の整備など、具体的なアクションに落とし込んでいきましょう。
マーケティングカレンダーの活用方法
マーケティングカレンダーには様々な活用方法があり、企業によって異なりますが、代表的なものを3つご紹介します。
1. マーケティングコミュニケーションの見直し
マーケティングカレンダーは、自社のマーケティング活動全体を俯瞰できるツールのため、マーケティングコミュニケーションの見直しが非常にしやすいです。
- カスタマージャーニーマップで策定したマーケティングコミュニケーションが漏れなく反映されているか
- 予算に対する各施策の成果は適切か
- 各施策の実施時期は適切か
- 他部署との連携が取れているか、または申し送りができているか
本来は各施策ごとにこれらを確認しなければいけませんが、マーケティングカレンダーがあればチームや外部パートナーなどが、今何を行っているのか、何が次に予定されているのかを一目で確認することができ、適切なマーケティングコミュニケーションを行えているのか確認しやすくなります。
2.次回以降の計画策定
マーケティングカレンダーは、一年間のマーケティング活動を一目で把握することができることから、過去のデータを活用して次回以降の計画策定時にも役立ちます。キャンペーンごとの売上予測も立てやすくなるため、予算やリソースの配分・注力時期などをスムーズに計画できます。
また、マーケティングカレンダーはタスク管理にも活用できます。イベントやキャンペーンに関連するタスクを明確にし、チームメンバーを適切に割り当てます。進捗状況をカレンダー上で追跡し、タスクの優先順位や期日を管理しましょう。
3.コンテンツマネジメント
計画した各キャンペーンを実施するためにはコンテンツを準備しなければなりません。チャネルもオンライン/オフラインといった単純なものではなく、媒体や施策別にコンテンツを考えなければならず、進捗管理が煩雑になりやすいです。
そんな時にマーケティングカレンダーがあれば、媒体や施策を横断して管理できるため、コンテンツテーマや制作スケジュール・ステータス・配信スケジュールなどが一目で分かり、漏れや遅れのリスクを減らすことができます。
マーケティングカレンダー作成・運用の注意点
最後に、マーケティングカレンダーの作成時や運用時に気をつけなければいけないポイントをお伝えします。いずれも多くの企業で陥りがちなポイントですので、予め把握しおきましょう。
修正の余地を持たせる
マーケティングカレンダーを作成する際は関与者と様々な議論を重ね、何度も確認した上で完成させるかと思いますが、予期せぬ事態や急な方針変更など、チームではコントロールできないことが起こり得る可能性は十分にあるため、適宜修正できるように設計しなければなりません。
例えば、新型コロナウイルスの流行によって、国内で予定されていたあらゆる業界の展示会やオフラインイベントのほとんどが中止になり、計画していたマーケティング活動が実施できないため、多くの企業が一から計画を練り直す必要がありました。
そんな時に、複雑な関数が組み込まれていたりレイアウトが煩雑なマーケティングカレンダーでは修正工数が多く、再作成のハードルが高くなってしまいます。マーケティングカレンダーは極力シンプルな設計を心がけ、いつでも修正できるようにしておきましょう。
ターゲットや競合を考慮した計画を立てる
作成方法の章でも説明しましたが、マーケティングカレンダーを作成する際はターゲットの行動パターンや傾向・関心・ニーズなどの把握が欠かせません。これらは別途、ペルソナ・カスタマージャーニーの設計が必要です。
また、競合のキャンペーンやイベントの内容・時期、その他プロモーション状況も必要です。競合と同じタイミングで類似のプロモーションを行うことは避け、差別化や効果的な競争戦略を構築するために競合情報を把握しましょう。
このように、マーケティングカレンダーは計画を取りまとめた予定表ではなく、自社の戦略と紐づいたマーケティングツールとして機能させてください。
データ収集と振り返り
マーケティングカレンダーのメリットの一つに「情報の一元管理」と前述しましたが、ここでの情報とは計画だけではなくキャンペーンの成果やKPI進捗なども含まれています。日頃から自社や事業部全体のマーケティング情報を集約できると良いです。
上記が実現することで、マーケティングカレンダーがあればチームメンバーがいつでも振り返れる状態になります。作って終わりではなく実務へ組み込むようにしましょう。
さいごに
マーケティングカレンダーは、効率的なマーケティング活動の実行に欠かせないツールです。本記事では、マーケティングカレンダーの作成方法・活用方法、そして作成/運用時の注意点についてご紹介しました。
マーケティングカレンダーを正しく作成し、データ収集/分析と改善を繰り返しながら、ビジネスの成功に向けて前進しましょう。
ルネイムでは本記事の内容をもとに、すぐにご活用できるマーケティングカレンダーテンプレートをご用意しました。以下よりダウンロードできますので、是非お役立てください。